レンタルサーバーってどう選べばいいの?主要レンタルサーバー3社の処理機能をテストしてみた!
ホームページ制作をするうえでサイトを公開するサーバー選びは絶対に避けて通れません。
色々あるレンタルサーバー会社の中からどれを選んでいいかもわからないし、さらに一つのレンタルサーバー会社でも何個もプランがあってどれが自分に合ってるかもわからない。
なんとなくで選んでしまって後悔するということも嫌ですよね。
今回はホームページ制作会社として、どういった目線で契約するレンタルサーバーを選べばいいかをご紹介します。
LPやサービスサイト、コーポレートサイトの公開先としてのサーバーを対象にしていますので、AWSやGCPなどのクラウドサーバーは対象外にしています。
※ 今回のテスト結果は弊社が2021年に実施したテスト結果のため、2024年現在とは結果が異なる場合があります。
ここを選んでおけば間違いない3大レンタルサーバー
1. LOLIPOP!レンタルサーバー(GMOペパボ株式会社)
LOLIPOP!レンタルサーバーは様々なインターネットソリューションを提供するGMO系列レンタルサーバーサービスです。
レンタルサーバーとしてのプランはスペック別に月額99円のエコノミープランからハイエンド向けのエンタープライズプランまで様々な需要を捉える多様なプランが用意されています。
(※ 表示月額料金は一括支払いによる金額です。)
注目するポイントとしては、ハイスピードプラン以上でLiteSpeedというWEBサーバを利用できるところにあります。
LOLIPOP!レンタルサーバーは「WordPress表示速度No.1」を売りにするほど、高速化に力を入れています。
この高速化を実現する仕組みの一つとして、LiteSpeedというWEBサーバが他社レンタルサーバーと差別化するポイントになっています。
今回のテストではおすすめのハイスピードプランを使っていきます。
以降、他2社のプランもLOLIPOP!レンタルサーバーハイスピードプランと同程度スペックプランを選択します。
2. Xserverレンタルサーバー(エックスサーバー株式会社)
Xserverは昔からWordPressホームページの作成を簡単に行えると有名なレンタルサーバーで、表示速度の速さから様々なブロガーさんも使っている方が多い印象です。
またXserverの特徴はレンタルサーバーの契約内容に永久無料独自ドメインが含まれているところにあります。
ホームページを新規に制作する際は、レンタルサーバーの他にドメインも契約しなくてはいけません。
使用するドメインにもよりますが大体年間3000円~5000円くらいの金額帯ではありますが、これが永久無料というのは地味にありがたく、Xserverで一括管理できるので管理の手間を削減できるのも嬉しいです。
LOLIPOP!レンタルサーバーなどリーズナブルでお手軽さを売りにしている会社とは違い、同スペック帯でも1.5倍ほどの高い印象がありますが、無料でドメイン利用できることを考えるとバランスの取れた金額とも思えます。
今回のテストではLOLIPOP!レンタルサーバーの金額帯と合わせて、おすすめのスタンダードプランを使って処理機能をテストしていきます。
3. さくらレンタルサーバ(さくらインターネット株式会社)
さくらレンタルサーバはインターネット黎明期からサービスを続けるさくらインターネット株式会社が提供するレンタルサーバーです。
さくらインターネットといえば、つい最近日本企業として初めて政府クラウドに選定されたことがニュースになりました。
選定されたのはクラウドサービスの話なので、レンタルサーバーは直接関係しないのですが企業としての信用度が高いことは間違いありません。
共有レンタルサーバーのプランは上記の3プランで、最近プラン内容の変更があったらしく、低価格帯プランでも保存領域が全てHDDからSSDへと変更されていました。
テスト実施時はスタンダードプランの保存領域がHDDでプレミアムプランの保存領域がSSDであったため、他2社との機能的バランスを考えてプレミアムプランを選択しました。
処理機能テストの方法
今回のテストでは各レンタルサーバーにテスト用のWordPressサイトを展開し、負荷テスト用ツールであるJMeterを使って負荷かけしていきます。
今回のテストでは弊社のクライアント様である調理技術技能センター様公式ホームページ(https://chouri-ggc.or.jp/)を利用します。
サイトボリューム的には全ページ数20ページ以上になりますので、一般的なコーポレートサイトほどのボリュームになります。
テストのポイント
今回のテストでレンタルサーバーの処理機能をチェックしたいポイントは以下の2点です。
● 短時間での処理可能リクエスト件数
→ 各レンタルサーバーに展開したテスト用のWordPressサイトに対して、10分間の中で何件までのリクエストを処理しきることができるかを確認
● 処理件数が増加した際の処理速度
→ 10分間でのリクエスト件数を段階的に増やしていき、1リクエストあたりの処理にかかる時間がどうなるかを確認
上記の2点を焦点にテストを実施し、明確なデータとして各レンタルサーバーの処理機能に優劣をつけていきたいと思います。
今回はユーザー一人あたりが4ページを見た想定でシナリオを作り、
①1500ユーザーがアクセスした場合(1500人×4ページ=6000リクエスト)
②2500ユーザーがアクセスした場合(2500人×4ページ=10000リクエスト)
③4000ユーザーがアクセスした場合(4000人×4ページ=16000リクエスト)
の3段階でそれぞれを10分間という時間制限の中でテストを実施します。
テスト実施
LOLIPOP!レンタルサーバーのテスト結果
① 1500ユーザーがアクセスした場合の結果
問題なく6000リクエストまで処理を完了しています。
処理速度は1ページあたり130ミリ秒~560ミリ秒ほどの結果となりました。
② 2500ユーザーがアクセスした場合の結果
こちらも問題なく10000リクエストを処理できています。
処理速度は1ページあたり50ミリ秒~200ミリ秒なので、今回の条件では処理件数の増加によるサーバー処理速度低下傾向はみられませんでした。
総リクエスト件数が少ない1500ユーザーのテストより処理速度が圧倒的に早いのは、1500ユーザーテスト実施の直前に別の負荷かけを行ってしまっていたため、処理速度が若干低下していたようです。。。
③ 4000ユーザーがアクセスした場合の結果
最後に4000ユーザーでのテストですが、こちらも問題なく16000リクエストを処理できています。
1ページあたりの処理速度は60ミリ秒~230ミリ秒程度ですので、2500ユーザーテストと比べて誤差程度と言えるかと思います。
Xserverレンタルサーバーのテスト結果
① 1500ユーザーがアクセスした場合の結果
問題なく6000リクエストを処理できています。
処理速度は1ページあたり80ミリ秒~150ミリ秒程度ですので、誤差の範囲と言える可能性もありますがLOLIPOP!レンタルサーバーより早い処理速度と言えるかもしれません。
② 2500ユーザーがアクセスした場合の結果
こちらも問題なく10000リクエストを処理できています。
処理速度は1ページあたり41ミリ秒~130ミリ秒程度になっていますので、LOLIPOP!レンタルサーバーと比べて明確にXserverレンタルサーバーの方が処理速度が速いと言ってよさそうです。
③ 4000ユーザーがアクセスした場合の結果
問題なく16000リクエストを処理できました。
処理速度も1ページあたり30ミリ秒~130ミリ秒なので、きちんと速いと言っていいでしょう。
さくらレンタルサーバのテスト結果
① 1500ユーザーがアクセスした場合の結果
6000リクエストを処理することができました。
ただ処理速度は120ミリ秒~1160ミリ秒となっています。
1160ミリ秒というのがたまたまサーバーの状態によるものかもしれませんのでちょっと様子見です。
② 2500ユーザーがアクセスした場合の結果
10000リクエストを処理することはできました。
処理速度は130ミリ秒~1100ミリ秒と明らかに他2社のレンタルサーバーと比べて遅れてしまっていることは明確になってきました。
③ 4000ユーザーがアクセスした場合の結果
なんと12280リクエストまで処理できたのですが、それ以上は処理しきれなくなりリクエストがリジェクトされてしまいました。
LOLIPOP!レンタルサーバーやXserverレンタルサーバーではこのようなことはなかったので、さくらレンタルサーバの短時間処理機能限界は他2社と比べ低いということが言える結果になりました。
選ぶべきレンタルサーバーは?
速度を優先するのであればXserverレンタルサーバー
今回のテスト結果として、Xserverレンタルサーバーが一番速いことを確認できました。
先ほども述べた通り、XserverはWordPressの導入しやすい機能を提供しているので、ブログ用のサーバーとしてはもちろんコーポレートサイトなどのビジネス利用でも一般的によく使われるおすすめのレンタルサーバーです。
費用とスペックのバランスを優先するのであればLOLIPOP!レンタルサーバー
LOLIPOP!レンタルサーバーのハイスピードプランは3年分の費用を一括支払いすると、ひと月あたり550円で利用することができます。
処理速度も申し分なく、短時間の高負荷テストにも問題なく耐えることができましたので、一時的にアクセスが爆増するようなホームページでも頑張ってくれるでしょう。
また、SSD容量400GBなので容量が枯渇する心配も全くありません。
すでにドメインを保有していたり、ドメインは自身で契約する場合はLOLIPOP!レンタルサーバーがおすすめです。
まとめ
というわけで今回は主要レンタルサーバー会社3社の各レンタルサーバープランを対象に実際の処理機能をテストし、ホームページ公開のためにどのレンタルサーバーを選べばいいのかをホームページ制作会社ならではの視点でご紹介させて頂きました。
このような負荷テストを実施してレンタルサーバーの限界を調べることで、実際にどれくらいのアクセスに耐えられるか、表示速度が速いサーバーはどこなのか、自分に必要なスペックを持つサーバーはどこなのかを具体的に調べることができます。
※ 過度な負荷かけテストはレンタルサーバー会社に迷惑をかけることになるので、きちんと適切な上限を設けてください。
ぜひ今回のテスト結果を参考にホームページ公開用のレンタルサーバー選びに役立ててもらえればと思います。
株式会社Neightbor.では、ドメイン取得やレンタルサーバー契約から実際のホームページ制作までお手伝いさせて頂きますので、相談しながら選びたいという方は是非お気軽に連絡していただければと思います。
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